保険が解約される(第13話)
<登場人物>
父・・・僕の父です。70代。
僕・・・中年のおっさんです。父の長男。40代。
花子・・・僕の妹です。父の長女。40代。
とみ子・・・父の内縁の妻。70代。
<今回のお話>
仕事中に父から電話があり、「保険料が払えないから、今すぐ10万円振り込むように。」と言われました。
オレオレ詐欺の手口じゃん。笑
話を聞いてみると、僕の子供に父が「かんぽの保険」を500万円かけてくれていたのですが、今月の支払いが払えないのだそう。
同様に、妹の子供にも父が「かんぽの保険」を500万円かけてくれいまして、妹の子供分も支払いができないのだそうです。
少し悩んだのですが妹の子供の分も払うのが嫌だったので「5万円しかないから、5万円をすぐに振り込む。」と伝えました。
振り込んだ後に郵便局の保険担当者に電話したところ、目の前でとみ子と父が口論しているというのです。
とみ子が「かんぽの保険」を解約させようとして、父が嫌がっているというのです。
受話器越しに争っている声も聴きました。
今振り返ると、録音すれば良かったのですが、気か付きませんでした。
郵便局員がに言うには、父の意思で解約したことを記録するため、父にペンを持たせ、解約書を記載している姿をとみ子が写真に撮っていた、ということでした。
それを郵便局員に撮ってもらえばよかったと後から気が付きましたが遅かったです。
結局は保険が途中解約となり、元本割れして解約金が父の口座に振り込まれました。
そして解約金はとし子によって引き出され、使途不明金になるのでした。
うーむ、5万円をケチるんじゃなかった。(違うか。)
スキャナのコードがない(第12話)
<登場人物>
父・・・僕の父です。70代。
僕・・・中年のおっさんです。父の長男。40代。
<今回のお話>
父から電話がありました。
父「息子よ、スキャナの電源ケーブルが無くなったから、お前の電源ケーブルをゆうパックで送るのだ。」
父は趣味の写真をスキャンしてパソコンに読み込み、Photoshopで加工して遊んでいます。
ところで、電源ケーブルって紛失するかな??
今振り返ると認知症のため電源ケーブルが消えてしまったと思ったのでしょうが、当時の僕は深く考えず、我が家のスキャナが父と同じ機種のため、電源ケーブルを父に送りました。
もちろん、僕のスキャナは使えなくなります。笑
皆さんも、電源ケーブルが無くなった、と言われたら認知症検査を受けましょう。
そして、予備の電源ケーブルも買いましょう。
今回は平和なお話でした。
高級カメラが売却される(第11話)
<登場人物>
父・・・僕の父です。70代。
僕・・・中年のおっさんです。父の長男。40代。
とみ子・・・父の内縁の妻。70代。
<今回のお話>
父は富士山の写真撮影が趣味でした。
写真協会を組織して会長を名乗ったり、何かの展覧会で賞をもらったりしていました。
写真協会の会員は自分だけのようでしたが(笑)、商店街の自宅に看板まで掲げていました。
高級カメラや高級レンズもたくさん収集しており、自宅がカメラだらけでした。
皆さんは高級カメラと聞くと値段は1台いくら位を想像しますか?
父の一番高級なカメラはなんと900万円です。
不動産が買える金額ですね。十年ローンで買っていたようです。
とみ子は父が認知症になって以降、父のカメラを全て売り払ってしまいました。
実家に帰る都度にカメラが減ってるなぁ、とは思ったのですが、ついに全部無くなってしまいました。
叔父に聞いたところ、証拠が残らないように現金買取出張サービスを利用していた様子なのです。
とんでもない女性ですね。
カメラなんて高くても50万円くらいと思い込んでいましたので、値段を聞いて驚きました。
後に、とみ子のメモ帳を入手したところ、2021年のカメラ売却が240万円と記録されていました。
弁護士に相談しても、証拠がないから取り戻すのは難しい、ということでした。
そう言えば、僕は今年になってCannonの高級コンパクトデジタルカメラを悩んだ末に購入したのですが、49,800円でした。
電話番号を電話で聞く(第10話)
<登場人物>
父・・・僕の父です。70代。
僕・・・中年のおっさんです。父の長男。40代。
花子・・・僕の妹です。父の長女。40代。
とみ子・・・父の内縁の妻。70代。
<今回のお話>
父から電話がありました。
「いま銀行のATMにいるんだけど、パスワードがわからなくて金が引き出せない。息子よ、ワシのパスワードを教えるのだ。」
いや、知らんて。
「そしたら花子に聞くから、花子の電話番号を教えてくれ。」
父さん、電話を切れば連絡帳に花子の電話番号がわかると思いますよ。
「連絡帳をどうやって見るのかわからないから、花子に教えてもらうから、花子の電話番号を教えてくれ。」
父さん、論理的なようで、論理的じゃないです。
それと、電話番号はATMのパスワードよりも長いけど、覚えられますか?
「大丈夫、銀行員さんが隣でメモしてくれるから。」
おい!
みなさん、ご両親がパスワードを忘れたら認知症の検査を精神科で実施してください。
そして、市役所の地域包括センターに相談して、介護支援を受けるように申請してください。
このレベルなら、色々と間に合う可能性があります。
この頃、父がちょっとボケ始めたかなと思いましたが、何故かあまり危機感はありませんでした。
妹の花子が父の近所に住んでいるし、この程度なら何とかなると思っていました。
とみ子の希望は父の希望?(第09話)
<登場人物>
僕・・・中年のおっさんです。40代。
父・・・僕の父です。父の長男。70代。
妹・・・僕の妹です。父の長女。40代。
とみ子・・・父の内縁の妻。70代。
Tシャツ爺・・・父の古い知り合い。(友人ではないらしい)70代。
<今回のお話>
公証人役場を後にした僕たちは、取り敢えず実家の父の家に行くことにしました。
父に買ってもらった、とみ子のN-BOXに四人で乗り込み、Tシャツ爺の運転で走ります。
父は高倉健のように無口なため、とみ子とTシャツ爺が二人でずっと話してます。
どうやら二人は火災保険の過大請求で儲けているようです。
(この記事は2023.08頃に執筆していますが、ビックモーターの保険金問題がニュースで大々的に報道されていますが、似たような構造です。)
とみ子は70代ですが、こんな事をしてるなんて曲者ですね。
実家に着くと、とみ子は要望を私に提示してきました。
父と籍は入れないが、代わりに生涯に渡ってこの条件を約束しなければならない、と私に突き付けてきたのです。
私(とみ子)の希望は○○さん(私の父)の希望です。 |
住宅は遺すこと。 |
毎月生活費20万円を保証すること。 |
父の現金・預貯金・株券・生命保険を預けること。 |
収益物件の名義を変更すること。 |
私が何故、とみ子の生活を生涯保障しなければならないのか理解できません。
日本語もちょっと変だし、この文章を見て私はとみ子をアホだと思って、油断していました。
「のび太の物はオレの物。オレの物はオレの物。」って有名な人が言ってたような気がしますが、何だか似てますね。
父が役所で裸になる(第08話)
<登場人物>
僕・・・中年のおっさんです。40代。
父・・・僕の父です。父の長男。70代。
妹・・・僕の妹です。父の長女。40代。
とみ子・・・父の内縁の妻。70代。
Tシャツ爺・・・父の古い知り合い。(友人ではないらしい)70代。
<今回のお話>
公証人役場の続きです。
遺言書は本人の意思に基づいて作成するため、私、とし子、Tシャツ爺は席を外すように言われました。
仕方なく、離れた場所から父と公証人が話している様子を見ていました。
すると父が突然、暑いと言って服を脱ぎ始めました。
つまり上半身が裸です。
公証人役場の職員がざわめきます。
この父の行動は。。。
うん、今日も平常運転!絶好調!
父は変り者というか、昔から変な行動が多く、人前で恥ずかしい行為を平気でやります。
流石に服を脱ぐのはちょっとばかり変な気もしましたが、当時はこれが認知症の症状とは思いませんでした。
公証人が注意しても父が服を着ないので、私が呼ばれて、父を説得しました。
そして遺言書に記載する内容を公証人から伝えられ、内容に不満がないか聞かれました。
内容は次のとおりです。
不動産AとBは長男に相続させる。
不動産Cは長女に相続させる。
現金は全て内縁の妻に相続させる。
内容は仕方ないと思いましたが、「内縁の妻」という表現が嫌でした。
法律的に何かを認めた事になって、将来的に問題になるような予感がしたからです。
友人、という表現に出来ないか聞くと、父の意思が無い限り修正は出来ないというのです。
父に聞くと、公証人が内縁の妻と言うから、こうする。と譲らないのです。
鶏と卵のような議論になりましたが、話がまとまらないのでこの日は中断となり、持ち帰り再検討することになりました。
今振り返ると、内縁の妻という表現は重要ではないため、認知症の診断がなされていないこの時点で作成してしまえば良かったのでした。
ついでに言いますと、現金と預貯金は区別されることが多いので、上記の内容は預貯金が記載漏れとなり将来的にトラブルの原因になります。
更に言いますと、預金と貯金も意味が異なります。
それと株券、債権・・・・キリがないですね。
相続人全員が仲良しであればよいのですが、仲が悪かったり、それぞれの配偶者の人間関係が悪い場合、細かく指定しておくことをお勧めします。
父さん、あのエッチなビテオテープは私に相続させてください。笑(冗談です。)
父の友達じゃない人(第07話)
<登場人物>
僕・・・・中年のおっさんです。40代。
父・・・・僕の父です。父の長男。70代。
妹・・・・僕の妹です。父の長女。40代。
とみ子・・父の同居人、内縁の妻。70代。
Tシャツ爺・・・父の古い知り合い。(友人ではないらしい)70代。
<今回のお話>
とみ子に父の不動産を全て遺贈されては困りますので、急遽会社を休んで、公証人役場に行くことにしました。
品川駅から新幹線で向かうため、目的の公証人役場が新幹線停車駅が最寄駅でラッキーでした。
公証人役場の駐車場に到着すると待っていたのは、父、とみ子、見知らぬTシャツを着た爺、の3人でした。
なぜ、とみ子が?そして、このTシャツ爺は誰??
謎は解けないまま公証人役場に入ります。
待合室でこのTシャツ爺が誰なのか、父に聞いてみました。
幼稚園、小学校、中学校と一緒だった同級生なのだそうです。
なるほど友達なのね?と聞いてみると、友達ではないと言うのです。
どゆこと??
なんでも、公証人役場の駐車場が狭いから、代わりにクルマの運転をしてもらったんだと。。。
駐車場を見ると父のハイエースはなく、ホンダN-BOXだけが停まっています。
謎は解けた!
Tシャツ爺のクルマがN-BOXであり、ここまで乗せてもらったのね?と聞くと、N-BOXは父がとみ子に買ってあげたものだと言うのです。
うーん、謎は深まりました。(鈴木健二風)