高級カメラが売却される(第11話)
<登場人物>
父・・・僕の父です。70代。
僕・・・中年のおっさんです。父の長男。40代。
とみ子・・・父の内縁の妻。70代。
<今回のお話>
父は富士山の写真撮影が趣味でした。
写真協会を組織して会長を名乗ったり、何かの展覧会で賞をもらったりしていました。
写真協会の会員は自分だけのようでしたが(笑)、商店街の自宅に看板まで掲げていました。
高級カメラや高級レンズもたくさん収集しており、自宅がカメラだらけでした。
皆さんは高級カメラと聞くと値段は1台いくら位を想像しますか?
父の一番高級なカメラはなんと900万円です。
不動産が買える金額ですね。十年ローンで買っていたようです。
とみ子は父が認知症になって以降、父のカメラを全て売り払ってしまいました。
実家に帰る都度にカメラが減ってるなぁ、とは思ったのですが、ついに全部無くなってしまいました。
叔父に聞いたところ、証拠が残らないように現金買取出張サービスを利用していた様子なのです。
とんでもない女性ですね。
カメラなんて高くても50万円くらいと思い込んでいましたので、値段を聞いて驚きました。
後に、とみ子のメモ帳を入手したところ、2021年のカメラ売却が240万円と記録されていました。
弁護士に相談しても、証拠がないから取り戻すのは難しい、ということでした。
そう言えば、僕は今年になってCannonの高級コンパクトデジタルカメラを悩んだ末に購入したのですが、49,800円でした。