窓口は内縁の妻(第14話)
<登場人物>
父・・・僕の父です。70代。
僕・・・中年のおっさんです。父の長男。40代。
花子・・・僕の妹です。父の長女。40代。
とみ子・・・父の内縁の妻。70代。
<今回のお話>
父が転倒して入院した際に、病院から治療方針について、とみ子に確認があったそうです。
(転倒は第02話を参照してください。)
再び脳梗塞の恐れがあるため、脳血管のバイパス手術を勧められました。
私や妹はバイパス手術に賛成だったのですが、とみ子が拒否したというのです。
私は怒りとともに病院に電話しました。
「ご家族の代表者に窓口になっていただく必要がありますが、あなたは東京から着替えやオムツを交換しに、病院に来られないでしょ?だから奥さんに窓口になってもらうのですよ。奥さんが手術をしないと言うのですから、出来ません。」
いや、とみ子は親族じゃないんです。他人で、いわゆる内縁の妻なんです。
「こちらとしては、同居して世話をしてくれる方を窓口になってもらうしか無いのです。他にご兄弟がいららっしゃれば、他の方が窓口でも構いませんよ。」
なるほど、じゃ、妹が窓口でいいじゃん。
妹に電話しました。
「あんな父の世話をするのは嫌だよ。今までの人生で、父がどれだけ私が嫌な思いをしたのか。世話は絶対に断る。」
仕方ない、とみ子に手術をするよう話してみました。
「西洋医学は信用できない。私は水素の勉強や販売をしてるから、どんな病気も人間は水素で治るのを知っている。そもそも水素とは・・・」
父の治療方針の話がしたかったのですが、何故か話題は水素水のすばらしさ、とみ子から格安で水素水生成器を購入できること、にすり替わっていました。